家の外側を考える。
Nov 02, 2011
前回からの続きです。
地域の植生を調べる。
ではどうやって地域の自生種を見つけたらいいのでしょうか。田瀬さんは「 地域の図書館にいって、小学生が
読むような郷土の植物図鑑の中から在来種を選べばいいのではないでしょうか。住宅であれば落葉樹を中心に
すれば良い環境が整うのではないでしょうか。」 と言われます。実際に田瀬さんの仕事を伺うと 「 30~40坪
程度の敷地で高木と低木で50~60種類、下草を入れると100種類程度を植えるといいます。しかし、100種類
を集めるのはなかなか大変そうです。なるべく多くの種類、
数がうえられればいいのですが、大事なのは履歴がきち
んとした植物を探すことだそうです。数にこだわらず、調達
できるものだけをやればいいのです。」 と言われます。
例えば、同じコナラでも葉の大きさや形、枝振りなど、地域性
の違いにより固有のDNAをもっています。同じコナラだから
といって、流通品を取り寄せるのではなく、元々その地域に
受け継がれてきた自生種から株分け、挿し木、実生をいただくと
いうのが理想です。OMソーラーの地球のたまごの「 どんぐりプロジェクト 」では、浜名湖に流れ込む唯一の
河川である都田川の上流域など、浜名湖周辺の数少ない手つかずの土地、古い神社やお寺の境内など巨木か
らどんぐりを拾ったり、挿し木したりして苗をつくりました。購入したのは野芝のみで、その他は全て社員が集め
てきたものです。 「 書店で売っているようなハウツー本を手本にしては良くないです。郷土の植物図鑑を調
べ、自分の目で見て選び、自分の手で手入れをする。地元の種苗生産者組合などに聞いてみるのも方法の一
つです。これらを施主自身が楽しみながらやるのが一番です。 」