設計を考える。まず、生活を読み、描く。
Dec 05, 2011
外的条件の読み取りに続いて、この家族の現在の生活を客観的に捉えるとともに、新しい家への要望を整理し
ます。整理するための手助けとして、OMソーラーでは、簡単な 『 OM設計カード 』を用意しております。詳細
に渡ってまでの記入を通して、設計者に、現在と未来の姿図を提示します。住まい手自身がどこまでこの作業
を、じっくりと行なえるかどうかは、 『 心地よい家 』が生み出せるかどうかの大きな分かれ道となります。
前期に引き続き、Kさんの例をとって書いてみます。
☆ 設計カードなどを利用しながら、現在の暮らしと希望を整理します。
気象条件や周辺環境、法的な規制など、外的条件の読み取りに続いて、今度は、ご家族の現在の生活の実
際を客観的に捉えるとともに、新しい家づくりをつくるにあたってのご家族の整理します。
家づくりのプランによせる要望は、どの家族の場合もたいへん具体的です。Kさんの場合も同様です。いろいろ
思いついたことや希望を、Kさんは、メモ書きで書き留めていました。
Kさんの暮らし方の現在と希望 メモ書きです。
① 朝食 / 妻 7時 私は 7時30分起床。 朝食は、私は毎朝 トマトジュース程度。
② 昼食 / 妻と子どもと2人で。
③ 夕食 / 平日は、19時頃に妻と子どもは先にとる。私は仕事の関係上帰宅時間がまちまちのため、一人
がバラバラの時間にとることが多い。夕食後は、居間でテレビを見たり、妻は、家事 (食事のか
たづけ、アイロン他)、私は、パソコンをするなどして過ごす。シンプルで明るく、のんびりとできる
家がいい。
④ その他 食事関連で/日曜日は、9時頃起床、9時30分頃、家族一緒にゆっくりと朝食をとりたい。キッチン
アイランド型にし、リビング・ウッドデッキ・収納・水廻りなどへの動線をスムーズに確保したい。
ウッド・デッキでは、バーベキューなどもやりたい。
⑤ 玄関 アウトドアが趣味。キャンプ道具やカヌー、自転車などがあるため、玄関とともにすぐに出し入れ
できる物置スペースを確保したい。新聞受けはシンプルに。
⑥ リビング 床座の生活に。リビングとウッド・デッキとキッチンで一つの空間になるようにしたい。吹き抜けを
設け、風の通る家に。来客としては、身内の者が泊まる程度。普段は居間とつながり、来客時に
は独立した空間となる和室を一部屋を希望。
Kさんご家族が、自分たちの今の暮らしの実際や新しい家に対する要望を本格的に腰を据えて整理するため
に活用するのが設計カードです。
設計カードは、かなり詳細な質問項目が書かれたもので、もれなく書き込み、具体的な暮らしの中身を客観的
に確認し見つめ直すとともに、新しい家へのいろいろな思いを要望として整理した上で、設計カードを通じて設計
者に伝え打ち合せを行います。
設計者がプランづくりをスタートさせる前に、住まい手自身がどこまでの作業を、じっくりと、冷静に、そして大い
なる希望をもって行なうか、ここに、将来的に、ご家族にとって 『 心地いい家 』 になるかどうかのカギが握ら
れています。
ここで、Kさんの要望を、整理してみますと、施主にとって、この段階で重要なことは、家づくりに対する要望を
できる限り具体的にすること。そして大切にしたものをハッキリさせることです。
☆ 太陽熱を利用して、家全体を穏やかな温熱環境にしてくれる、OMソーラーを取り入れる。
☆ 小さな家がいい (建築面積120㎡以下)
☆ 植栽やウッドデッキと調和する外観。
☆ 木の家に住みたい、近くの山で育った木で家を建てたい。柱や梁は杉のあらわし(節有りで十分)にて、土
壁仕上げと杉とがバランスよく溶け合う内観に。
☆ キッチンを家の中心に、リビング・ウッドデッキが一つの空間となるように。
☆ キッチンは、アイランド型に、水廻りや収納も含めての動線を考える。
☆ 出し入れを考えたアウトドア用具の収納スペースを確保する。
☆ 車 2台分の駐車場スペースを確保する。
☆ シンプル・明るい・のんびりできる家
Kさんが考えるイメージ (ゾーニング)