OMソーラーのコンセプトの紹介
May 18, 2011
先週から書いていますが、
まず、太陽が当たって屋根面が熱くなると、ファンが回り始めて外の冷たい空気が軒先から屋根の通気層に入
ってきます。 この空気は太陽の熱で温められながら、どんどん上に昇っていき、ガラス付集熱面でさらに温度
を上げ、棟ダクトに集められます。地域や季節条件によって違いますが、快晴の日であれば空気の温度は
60℃をこえることもあります。その空気をファンによって床下に送ると、基礎のコンクリートを温めながら、室内
へ微風となって吹き出します。そして夕方になると、
熱を蓄えたコンクリートが外気温の低下とともに
放熱を始め、建物全体を床から温めます。日中に
太陽の熱を貯めておいて、その熱を夜明けまで使おう
というわけです。これまでは冬の話ですが、夏にもこれが
働くというのがじつは大きなメリットといえます。
真夏の太陽で灼けついた屋根を昇ってくるカンカンに熱い
空気で、お湯をたっぷり採ってお風呂やシャワーなどに使うことができます。
それで使い切れなかった熱はそのまま外へ逃がしてしまうのです。
これが基本的なシステムですが、いちばん大切なことは、空気が動いているということです。つまり、暖房しな
がら、同時に換気もしていることです。いまの家づくりは外の世界から住まいを閉じてカプセル化し、エネルギー
をどんどん使って冷暖房し、快適性を高める構造になっています。空気が汚れれば、窓を開けてせっかく温めた
空気を逃がしてしまう。この繰り返しです。その点、OMソーラーの仕組みは暖房と換気を同時に行い、家全体の
床を温めるので自由な設計ができる。伸びやかで広がりをもつ一体感のある空間や大きな吹き抜けをもつ空間
をつくることもできます。日本の家が本来持っていた風の通り道を上手につくって、気持ちのいい空間をデザイン
することもできる。快適な自然エネルギーによる温熱環境と、設計の自由度の両立。これこそがまさにOMによる
ソーラー・アーキテックの考え方です。自然に、もっとしなやかに。いい風が吹いていたら、それを呼び込み、太
陽の日射しがうれしかったらそれを取り込みながら快適に気持ちよく暮らしていく。知恵と工夫を生かせばそれが
できる。 それが、OMの家づくりの考え方です。