建築建材について
Mar 24, 2010
これまで、建築材料は、「環境・資源・地球・人間」とその関係性という視点が抜け落ちる中、次から次へと新製品が生み出されてきました。このことが新たな病気や地球環境への影響をまねくなど、今、私たちの上に大きなツケとして重くのしかかっています。現在、「エコマテリアル」という新しい建材選択のあり方が提案されはじめております。人に、地球にやさしい材料を住まい手自身が意識的に選ぶ。 建築材料選びもまた、大切なプロセスです。
エコマテリアルという考え方。
止め処ない新しい建材の開発は、現代病や地球環境への影響を生み出してしまいました。建築における「エコマテリアル」とは、〈 原料 製造 運搬 使用 廃棄 〉まで各段階を通じて、住む人に、地球にやさしい材料をいい、これからの建築材料選びの在り方を示すものです。
建築材料の選択は、家族の健康に、また、私たちが、将来を担う子どもたちが生きる、この地球の環境にかかわることです。
建築材料の選択は、大切な家族の健康に、そして、地球の環境に関わること。
現在、家づくりに使われる建築材料は、数限りなくといっていいほどの数が市場に流通しています。
そのような中で、どのような材料をどこに使用するのかは、住まい手の希望や予算、家全体の雰囲気など全体を踏まえながらの、つくり手の選択に委ねられています。
私たちは家をつくるというと、どうしても、プランやデザイン、設備や家具選びなどに手一杯となり、建物そのものに使われる材料については、専門家の領域として任せる、というのが多いと思います。また、建材に関する知りたい情報を、手軽に私たちが知る術をもっていないという現実もあります。
いま、建築材料選びの新しい視点として、「エコマテリアル」という考え方が広がり始めております。
建築における「エコマテリアル」とは、建築のライフサイクルともいえる 〈 原料 製造 運搬 使用 廃棄 〉 の各段階を通じて、以下のような材料をいいます。
住む人にやさしい (室内環境を悪化させない)
環境にやさしい (地域や地球環境への影響が小さい)
これまでの新しい建材の開発は、その多くが、人間の経済活動の拡張に向けてモノとお金が動くしくみの中で、その開発要求と生産がめまぐるしい早さで繰り返されてきました。そこには、「 環境・資源・地球と人間活動の関わり・建材と人間生活との接点 」 という視点はほとんどなかったといってもいいのではないでしょうか。
そしてこのことが、「化学物質による新しい病気」というこれまでになかった現代病を、「 地球温暖化 」や「 オゾン層破壊 」 「 天然資源の枯渇 」 などの環境問題を生み出してしまいました。
「エコマテリアル」とは、この現実を直視した上で、環境の時代といわれる21世紀における、建築材料のあるべき大きな方向を指し示すものです。そして同時に、私たち自身も建築材料への関心を少しずつ高め、このような視点から建築材料を知り、つくり手に建築材料に対する希望もまたはっきりと伝える、選択をするという意識をもてるようになればと思います。
家づくりにおける建築材料の選択は、何にも替え難い、家族の健康に、また、私たちが、将来を担う子どもたちが生きる、この地球の環境に関わることなのです。