風を取り込む工夫
Oct 05, 2009
風を取り込む工夫
夏の涼を得る方法として、最も身近な方法は「通風」です。毎秒1mの風は、体感温度を約1℃降下させるといわれております。風を取り込むには、入り口と出口が必要です。また、南北だけでなく、東西、高低、天窓など、設計段階で、窓の配置を十分検討しましょう。その地域の風の特性を知り、その風向にあわせた窓の配置計画を行うことが重要です。
南北・東西・高低・天窓など、風を取り込む窓の配置には、ポイントがある。
夏の涼を得るのに、最も実際的なのは、「通風」です。毎秒1mの風は、体感温度を約1℃下げるといわれています。
通風が心地よいのは、変動する微風という点が大きいと言われています。自然の風は、強くなったり弱くなったりし、リズムを持っています。このイキイキした風が心地よさを生んでいるのです。ちなみに、風鈴の鳴る音に涼しさを感じるのは、この変動する微風を受けて、涼しげな音を運んでくれるからです。
通風とは、呼んで字のとおり、風が通ることを意味します。通風による涼を得るためには、いくつかの忘れてはならないポイントがあります。そのことを十二分に考え、さらに開口部と構造のバランスも含めて検討を重ね、最終的に、図面、窓の配置を入れていきます。
① 南と北に風が抜ける道をつくる。
風を上手に取り込むためには、入り口だけでなく、出口も必要です。
② 東と西に風が抜ける道もつくる。
風が通る道は、南北だけとは限りません。東西にも風が抜けると、風量は約4割も増えます。
③ 対角線上に窓を設ける。
風が入ってくる方角の窓と、対角線上にある窓も開き、空気の淀みをつくらないようにします。
④ 低い位置と高い位置に窓を配置する。
大きな窓がなくても、風は抜けます。暖かい空気は上に昇る性質があります。したがって、高さの違う窓があれば、空気は上に向かって移動します。緩やかですが、風が吹いたのと同じような状態になります。
⑤ 天窓を設ける。
④の具体例の一つとして、天窓を設けるのも一案です。天窓によって風量は、約2割ほど増えます。
